<フィギュア>村主が全日本優勝
2005年12月26日 スポーツ コメント (3)トリノ五輪の選考を兼ねたフィギュアスケートの全日本選手権が25日、国立代々木体育館(東京)で行われ、女子は村主章枝が194.16で2年ぶりの優勝を飾った。浅田真央は188.10で2位、荒川静香が187.36で3位。恩田美栄は186.06で4位、5位は中野友加里(175.66)、安藤美姫は6位(173.36)だった。女子は上位6人ともほぼノーミスの高度な戦いとなった。
村主は、演技を終えると両手をにぎりしめ、天を仰いだ。3−2回転ジャンプを2度成功させ、ノーミスの演技。9月に股関節に怪我をし、「下まで落ちそうになった私を、佐藤(信夫)先生とファンの方が引っ張ってくれた」と感極まった様子。コーチに「あなたは土壇場にならないとやらない」と言われたという。「それが私の人生なのかなあ」と話すと笑顔をみせた。観客はみなスタンディングオベーション。トリノへの希望の道が見えてきた。
荒川は「珍しく途中でパニックになった」と苦笑いする。スピンに入るときにジャンプしてから回り始める技を、入れたか入れなかったか途中で忘れてしまった。「やってないと減点なので、最後のスピンで本番でやったことのないシットスピンを入れた」という。しかし持ち前のスケーティング技術は8.4と最高得点を出すなど、まとまった演技で3位に食い込んだ。
復活を果たしたのは恩田。1カ月前にプログラムを変更し、今季は納得のいく演技が一度も出来ていなかった。この日は冒頭で3−2ー2回転ジャンプを成功。2つ目の3−2回転ジャンプでは、他の選手の2倍以上の高さまで飛び上がり、これまでスランプだった「恩田のジャンプ」が復活。力強いジャンプと、しなやかなエッジ使いで、2つの顔を表現し、フリーは2位に浮上した。高さのあるジャンプの復活に、観客からはいつまでも拍手が鳴り止まなかった。
安藤は、ほぼノーミスの演技ながらも、他5人の高得点を破ることはできなかった。スピンは軸が定まらず流れてしまい、3−3回転の予定だったジャンプも3−2回転になるなど、小さなミスが多かった。6位という順位でトリノ行きは微妙。「トリノには行けないっぽいので悔しいけれど、アメリカに行ってもう一度スケートを好きになれた事が良かった」と自分に言い聞かせるように話した。
▽恩田美栄 (ノーミスでフリー2位)技術的には100点満点。練習の成果が出た。五輪は二の次、三の次で、練習してきたことを出せばいいと思ってやった。
▽中野友加里 (ノーミスの演技で総合5位)プレッシャーの中でこれだけの演技が出来て満足。自分が代表候補に上がれるとは思ってなかったので、こうして戦えてよかった。
◇村主が号泣…達成感と解放感で
演技を終えた選手たちの多くが、涙ぐみながらリンクを引き上げていく。五輪代表枠をかけたプレッシャーのかかる舞台で、最高に近い演技をした達成感と解放感。ハイレベルな上位6人の戦いで、村主は最も激しく泣いた。
9月中旬に痛めた右こ関節に不安を抱えながらの演技。だが、冒頭の3―2回転連続ジャンプに始まり、苦手意識のあるジャンプを次々にクリアしていった。スピード感あるステップは観客の手拍子を誘い、最高潮の盛り上がりで最後の連続スピンへ。「観客の方々が、下まで落ちそうになった私を引っ張ってくれた」。演技直後、村主は両手を組んで神様に感謝の祈りを捧げながら、観客にも感謝した。
五輪への思いがオーバーワークとなり、右足の故障につながった。佐藤信夫コーチは、遅くまでリンクに残って練習する村主を帰らせたことがある。しばらくして何気なく外を見たら、リンク周辺を走る村主の姿があったという。妥協しない性格だけに、ほぼノーミスだったこの日の演技にも「けがで練習できず、仕上がりはかなり劣っている」と満足はしていない。しかし、持ち前の勝負強さはさすがだった。
「フリーのテーマである“希望の道”をお見せすることができた」と村主。4年ぶりの大舞台に向けて「五輪は自分を表現したい場所。競うというより、見せる」と話す。今大会前の代表選考ポイントは5番手だったが、自らの力で切り開いたトリノへの道。その先には歓喜の瞬間が待っていると信じている。【来住哲司】
◇トリプルアクセルと4回転ジャンプを…浅田真、胸膨らまる
会場の視線が集中した。最初のジャンプでトリプルアクセル(3回転半)を決めた15歳・浅田真の次のジャンプ。助走で勢いをつけると、思い切って踏み切った。着氷するやいなや、大歓声がわいた。一つのプログラムで2度のトリプルアクセル成功。もちろん世界初。演技中の浅田真に一瞬、笑顔が浮かんだ。
「トリプルアクセルが2回跳べて、うれしいです」。感想はあっさりしている。少し不安はあったというが「すごいことをしたという実感はない」。指導する山田満知子コーチも「あの子は本当に緊張を知らないから」と度胸の良さを認める。
05年世界ジュニア選手権を制し、今季シニアデビュー。GPシリーズ・フランス杯で初優勝し、GPファイナルをも制した日本フィギュア界の「秘蔵っ子」。年齢制限によるトリノ五輪出場問題が注目されたが、本人の心にあるのは、来年の世界ジュニア選手権(リュブリャナ)での演技。「トリプルアクセルと4回転ジャンプを入れたい」。やはり、女子では世界初となる試みに、胸を膨らませていた。【村田隆和】
○…3位の荒川は「攻めに入れて良かった」と振り返る一方、「自分らしくない演技で悔しい」とも。スピンの一つを入れたかどうか忘れてしまい、そこから頭が真っ白な状態に。3回転ループも2回転になるなど、冷静さを取り戻すことができなかった。しかし、3位という成績には「実は、居心地がいい」と前向きだ。04年世界選手権を制したシーズンも3位が多く、「注目されていると思うと、力が入るが、ノーマークだと気が楽」なためという。この3位が吉と出るか。
○…最終グループ最終滑走の安藤が笑顔で演技を終えた。今季から拠点を米国に移したが、その一番の成果は「スケートがまた好きになったこと」と話す。昨年までは練習のたびに涙を流し、試合でも自分にウソをついて笑顔を浮かべていた、とこの日打ち明けた。体調を考え、4回転ジャンプには挑まず、また3回転ルッツでも着氷でバランスを崩しなど「らしさ」はやや欠いたが、「去年とは違う安藤美姫の笑顔を見せることができた」と納得した表情だった。
◇トリノ五輪代表選考ポイントの最終結果◇
【女子】 合計 持ち点+上位2大会+全日本
(1)安藤美姫 2215= 665+550+650+350
(2)村主章枝 2150= 700+300+550+600
(3)荒川静香 2060= 560+500+500+500
(4)中野友加里 2043= 343+600+700+400
(5)恩田美栄 2014= 564+500+500+450
《参考》
浅田真央 2451= 501+600+800+550
※浅田真央は年齢制限のためトリノ五輪出場資格なし
(毎日新聞)
トリノ代表はミキティ、村主、荒川の3人に内定しました。
あと、1ヶ月ちょっとの期間で
ミキティはどうなんでしょうか・・調子。
ポイントで決定したそうだけど・・
中野さんの方が
演技に安定感あるし
いいような気もします。
昨年のポイントがもう少し高ければ
間違いないところだったんでしょうが・・
昨日も悪くなかったと思うけど(素人目)
点が伸びなかったなぁ。。
恩田さんもよかった。
みんな行かせてあげたいねトリノ。
コメント
模型じゃないよ?( ̄w ̄;プ。
今までこんなに人気なかったよね。
それだけ日本人のフィギアの力が世界に通用する力を付けてきているって事なのか。フムフム…。
んでも、なぜ、男子は1人なのん?枠。
やっぱり若さとビジュアルの重要性なんでしょう。
女子ゴルフや卓球愛ちゃんみたく・・。
男子も若くてジャニーズ系の人が出てくれば
話題になるんでしょうが(もちろん実力もないとダメ)。
男子が1枠なのわ
去年かその前の世界大会での日本選手の
成績が悪かったので代表枠が減ったためです。
(本田選手がずっと1人でがんばってたんだけど・・)
それだけ日本女子はレベルが高いとも言えます。
村主選手も惜しかった。全日本選手権のような演技ができていれば。